- 2026.02.16
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RICE FIELDに入社して7カ月 | 新卒アニメーター・福成さんの成長記
2025年4月。
福成花野さんは、RICE FIELD(ライスフィールド)へ新卒入社しました。
入社の原点となったのは、学生時代に携わった全国で公開された映像です。
右も左も分からない中で作品づくりに向き合い、代表の田原や講師陣から惜しみなく学びの機会を与えられた経験は、「この人たちと、これからも作品を作り続けたい」「いつか恩返しがしたい」という想いへと繋がっていきました。
入社後、福成さんはRICE FIELDが掲げる理念を、日々の仕事を通して体感していきます。
その理念が、「みんなを同じテーブルに」。
経営陣、プロデューサー、クリエイターが立場を越えてフラットに意見を交わし、一人ひとりが制作の当事者として作品づくりに向き合う。
それは、アニメーターとして“描く”技術を磨くだけでなく、社会の中で長く活躍できるクリエイターを育てるという方針そのものです。

あえて、「描くこと以外」にも挑戦する
この理念のもと、福成さんは入社後、原画制作に加え、アニメ塾の運営補助や授業サポート、SNS更新など、さまざまな業務に携わってきました。
アニメーターを単に“描ける人”として育てるのではなく、制作全体を理解し、チームの中で役割を果たせる存在へ。
RICE FIELDが目指す人材像を、福成さん自身が現場で学び続けています。
働き始めて最初に直面した壁は、「仕事の進め方」でした。
報連相が遅れ、進行管理への意識が追いつかない。
「もう少しで終わるから」と判断を先送りし、連絡がギリギリになってしまうこともありました。
技術指導を担当する講師からは、
「クオリティにこだわることは大切だけど、提出が遅れると、その後のチェックや修正・工程すべてに影響が出る。だからこそ、早めに相談してね」
とアドバイスを受けます。
学生時代であれば、提出が遅れて困るのは自分だけです。
しかし制作の現場では、一人の遅れが次の工程へ、そして多くの人の時間へと影響していきます。
頭では分かっていても、なかなかうまくいきませんでした。
実は福成さんは、とても真面目な性格。
「もう少し自分で考えてから」と抱え込みがちで、一言聞けばすぐに解決できたことでも、自分なりの解釈で進めてしまい、結果として二日分の作業をやり直すことになった経験もあります。
たくさん聞いて、たくさん失敗すればいい
RICE FIELDでは、代表の田原をはじめとする経営陣と、月に一度のミーティングを行っています。
仕事の進捗や、何か困ったことはないか。
福成さんの現状を踏まえた、具体的なアドバイスが丁寧に交わされます。
田原は、繰り返しこう伝えてきました。
「福成さんは、もっと“アク”を出していいんだよ」
真面目なところは大きな長所。
そのうえで、福成さんなりの考えや個性を、もっと表に出してほしい。
若いうちは、たくさん聞いて、たくさん失敗すればいい——と。
理念にもあるように、RICE FIELDには風通しの良い社内風土があります。
日々の業務はトークアプリ「Discord」を中心に進められ、作業中に迷いがあれば、チャットを通じてすぐに相談できる環境が整っています。
分からないところは互いにフォローし合う。任せる部分は任せる。
こうした距離感の中で、福成さんは少しずつ「相談することも仕事の一部だ」と実感し、コミュニケーション力を身につけていきました。

「あなたが、私の夢を叶えてくれた」
仕事の進め方や、周囲との関わり方が変わり始める中で、福成さんの中に「現場の一員として考える視点」が芽生えていきます。
それを象徴する出来事が、原画を担当したある国民的作品での経験でした。
ある日、仕事で浅草を訪れていた田原に、福成さんと制作進行の二人で同行した際のこと。
ふと見ると、福成さんが浅草の鳩を追いかけています。
田原が制作進行に
「福成さんって、鳩が好きなの?」
と尋ねると、制作進行はすぐに、
「劇中で鳩を描くので、動きを観察しているんです」
と答えました。
そのとき、田原は「自分の理想が叶った」と感じたといいます。
制作進行は、アニメーターに対して、時に厳しいことも伝えなければならない立場です。
その制作進行が、アニメーターの思考を理解し、尊重し、自然に言語化できている。
チームがきちんと機能している証でした。
完成した作品を見た田原が、静かに口にした言葉があります。
「福成さんが、私の夢を叶えてくれた」
田原はこの作品の大ファン。いつか制作に携わりたいと願っていました。
この一言には、憧れの作品に関われた喜びと、チームとともに作品をつくれているという実感。二つの意味が込められていました。

小さな手応えが、次の一歩になる
入社から7カ月。
福成さんの成長は、確実に積み重なっています。
原画スキルの向上を評価され、指導担当から実力を認められる場面も増えてきました。
クライアントからレイアウトを褒められた経験もあります。
アニメーターの技術は、点数や数字では測れません。
だからこそ、他者の言葉が、自分の現在地を知るための大切な指標になります。
福成さんは田原と話し合いながら、1年後、3年後、その先のキャリアを思い描いています。
原画やレイアウトを一人で任される力をつけること。
幅広いジャンルに対応できる“武器”を持つこと。
そして将来は、オリジナルの劇場作品に携わること。

福成さんは、言います。
「アニメーターは、才能ではなく努力でなれる仕事です」
その言葉には、プロとしての覚悟がにじんでいました。
社会で仕事をすることは、決して甘くありません。
スキルだけでなく、人としての成長も求められる場所です。
福成さんの歩みは、これからも静かに、確かに続いていきます。
執筆:両角晴香
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