- 2026.05.05
- アニメ塾
「卒業試験まではどんな道のり?」イチさんとたどる、アニメ塾入塾から卒業
🔳卒業試験は「一発勝負」ではない
「卒業試験」と聞くと、多くの人は一発勝負の実力テストを想像するかもしれません。
しかし、アニメ塾における卒業試験は、「合格=プロのアニメーターになる」という切符を掴むための、極めて実践的な“プロセス”です。
アニメ塾は、3か月を1クールとし、最長2年で卒業を目指します。
創立から5年間で、応募者約600人のうち受講者は120人、卒業生は20人。
卒業後はRICE FIELDからの業務委託や、正社員として、プロのキャリアをスタートさせていきます。
決して平坦な道のりではありません。
それでも、本気で取り組んだ人が、プロとして現場に立つまでの過程を着実に積み重ねていける仕組みがここにはあります。
今回は、2026年2月にアニメーターデビューを果たしたイチさんの歩みと共に、アニメ塾を卒業するまでのリアルな道のりを追います。
〈▶イチさんの塾生時代の記事はこちら(2025年9月)〉
🔳イチさんのこれまでの歩み

入塾当初は27歳。当時は将来について曖昧だったというイチさん。しかし「実践アニメ塾」で商業アニメの制作に携わる中で、アニメーターを“本業”として生きていく意識が芽生えていったといいます。
〈▶実践アニメ塾についてはこちら〉
🔳2度の不合格。それでも続けた理由
アニメ塾の卒業試験は、単なるスキルの確認ではありません。合格後に待つのは、RICE FIELDからの業務委託として仕事を受ける「現場組」への切符。プロとしての責任を背負う、本番の舞台です。
試験は、実技と面接の2段階で構成され、技術だけでなく、現場で求められる姿勢や覚悟も問われます。
試験は1クール(3か月)の最終月に行われるため、年4回のチャンスがあります。本業を持つ受講生に配慮し、試験期間は10日間。十分な時間が用意されているからこそ、アニメ塾で学んだことを出し切れるかが合格の鍵となります。
〇1回目――「時間が足りなかった」
2025年5月、入塾からまもなく2年を迎えようとしていたイチさんは、卒業試験に臨みました。しかし、結果は不合格。
「時間が足りず、未完成のものを提出することになってしまいました」
期間は十分にあったはず。
それでも、2年満期を目前に、高い壁に行く手を阻まれたイチさん。
○2回目――「自分の考えだけではうまくいかない」
背水の陣で挑んだ2度目の受験。前回の反省を活かし、時間内で課題を完成させることはできました。
しかし、結果はまたしても不合格。
指摘されたのは、「原画の意図を汲み取れていない」という点。これは動画マンにとって極めて重要なポイントです。
「自分の考えだけではうまくいかないということを、痛感しました」
○3回目――「プロの考え方にアップデートする」
満を持して迎えた3度目の挑戦。
前回までの反省点に加え、課題のカットのキャラに似た既存アニメの動きをコマ送りで研究し、プロの考え方を反映させながら試験に臨みました。
2度の挫折を経て、時間の使い方と客観的な視点を得たイチさん。
ついに合格を勝ち取り、プロへの切符を掴みました。
試験のbefore・afterを公開!
▼【試験①】before:1回目の課題。未完成のため、絵を描いていない部分がある。
▼【試験②】after:3回目の課題。完成しているので、なめらかな動画になっている。
▼【試験②】before:2回目の課題。パンダの歩き方がカクカクして見える。
▼【試験②】after:3回目の課題。イチさんの研究の成果が出て、スムーズな歩き方になっている。
🔳プロの自覚を問う「卒業面接」
卒業試験の最終関門は、「面接」です。
ここで問われるのは、単なる技術力だけではなく、業界で生きていくための「覚悟」と「将来の展望」。
イチさんにとって、この面接は、自分自身のキャリアを見つめ直す大きな転換点となりました。
〇曖昧だった自分から、目標を語れる自分へ
入塾当初、将来についてどこか曖昧な部分があったというイチさん。しかし、実践アニメ塾、実技試験と経験を積んだ後の卒業面接では、卒業後の自分について示さなければなりません。
イチさんが掲げた目標は、次の2つです。
・1年後の目標: 業界の基準とされる「動画月400枚」の達成
・5年後の目標: 原画・LO(レイアウト)を任せてもらえる存在になる
「動画検査か、原画マンか」という問いに対して、「原画マン」と答えた背景には、以前代表・田原から贈られた「将来を明確にする」「自分の考えを伝える術を磨く」という言葉が心に残っていたからとイチさんはいいます。
「ステップアップしていくには、目標があったほうがいい。動画だけ極めるのではなく、また違ったやりがいのある原画マンにも挑戦してみたいと思いました」
🔳卒業は「ゴール」ではなく、プロとしての「スタート」
アニメ塾を卒業すると、プロとしてのキャリアが始まります。その歩み方は1つではありません。
イチさんのように自身のビジョンに合わせて「現場組(業務委託)」という形を選ぶ人もいれば、正社員として会社の核を担う道も開かれています。RICE FIELDではアニメーターの中途・新卒採用を行っており、在塾中に社員試験へ挑戦することも自由です。
〈▶アニメ塾卒業後、新卒入社した先輩塾生の記事はこちら〉
どのような道を選んだとしても、卒業してすぐに一人で現場へ放り出されることはありません。プロとして現場に立ちながらも、成長を支える環境が整っています。
卒業後、まずは3か月間の研修からスタート。研修中は、会社から提示される目標枚数があります。目標をこなしていくことで、現場のスピード感に慣れながら、着実にステップアップしていくことができます。
そして、もし技術的に壁にぶつかったとしても、アニメ塾ならではのバックアップ体制があります。
・継続的な学び: 現場組になってもアニメ塾の添削授業に参加可能。業務外でも技術を磨き続けられます。
・納品前フィードバック: 技術が安定するまでは、アニメ塾講師による細やかなチェックが入ります。
・「他者の仕事」から学ぶ: 社内の納品物は自由に確認できるため、自分以外のフィードバックもすべて自らの糧にできる環境が整っています。
・オープンな“RICE FIELDマインド”:仕事はすべてオンラインで完結。しかし社内チャットやオンライン通話で、常に情報や技術の共有があります。アニメ塾時代からの仲間と、風通しの良い環境で切磋琢磨できます。
🔳イチさんに聞く、合格への道しるべ
Q 試験対策として、どんなことをしましたか?
「試験前の添削授業には、なるべく多くのカットを提出し、様々なカットに対応できるようにしました。本番では、最初に1日の作業量を計算してから試験に取り組みました」
Q 実技試験を合格するために必要だと思ったことは?
「授業で添削された課題・授業で言われたことを見直し、次のカットに反映させること。授業はオンデマンド配信されるので、いつでも復習できます」
Q 入塾当初から、どのよ うな成長を実感していますか?
「大きく3つの変化がありました。技術面では人体構造を意識し、資料を見て描く癖がついたことでスピードが向上。生活面では常に時間を逆算して動く習慣がつきました。 最大の変化は考え方です。ただ描くだけでなく、将来の目標から逆算して『仕事』として向き合う自覚が芽生えました」
いよいよ、現場組での研修が始まるイチさん。
「まずは初月の目標枚数を確実にクリアし、仲間とコミュニケーションを取りながら現場に馴染んでいきたい」と語ります。

代表の田原(写真中央)・役員の谷(写真右)と面接をするイチさん
プロとしてのキャリアは、ここがスタート地点。未経験から始まり、何度も壁にぶつかりながら歩みを止めなかったイチさんの挑戦は、これから「現場組」という新しいステージで続いていきます。
[RICE FIELD 採用情報]
アニメーター・制作進行として共に歩む仲間を募集中です!
https://ricefield-anime.com/recruit
執筆:今井 和

